それぞれの住宅事情や自分の好みによって、ベッドで寝るか布団で寝るかは分かれます。寝心地が良ければどちらでもいいと思いますが、ある程度の年齢になった場合、ベッドで寝ている方に注意して欲しいことがあります。それは布団で寝起きする人に比べて、ベッドで寝起きする人は、基礎体力を鍛える機会を奪われているということです。
ベッドから起き上がる時、足を下ろせば自然と起き上がれますが、布団から起き上がる時は、体を起こし立ち上がる動作が必要になります。逆に寝る時は、低い位置の布団にしゃがみこみ、横になる動作が必要になります。これらの動作に必要な体幹の力や足腰の力を、布団生活の人は意識せずに毎日鍛えていることになります。ベッド生活の人でも、普段掃除をするのにしゃがみこんだり、習い事で正座や立ち上がりを繰り返していれば体力を維持できますが、普段使っていない筋肉は自然に衰えます。やっていない動作は、できない動作になっていきます。
日常しゃがむ動作が必要ないという方もいると思いますが、思わぬところでよろけた際に、とっさに踏ん張るには下半身の筋力が必要です。長い人生を考えた時に、自分で元気に動ける体力はとても大事です。もちろん生活の安全上、ベッドが必要な人もいるはずですので、布団にかえた方がいいとは言いませんが、知らぬ間に自分の基礎体力が落ちてしまっていることに気付いていれば、転倒などのリスクを避けることに繋がると思います。
衰えていく筋力を、自分で意識的に鍛えていく習慣が、健康な生活を続けていく上で必要になると思います。