呼吸ケアと肩こり、これも関連性が浮かばないと思いますが、実は深く関係しています。

呼吸をする時、呼吸筋である筋肉が収縮することにより、肺の中に空気が入ります。主な呼吸筋としては、横隔膜や肋間筋があげられます。それらの筋肉が、本来の働きができていれば特に問題はないのですが、現代人は呼吸筋、特に横隔膜がシッカリ機能していない人が多いのです。

横隔膜が機能しない理由、それは側弯、神経疾患、喘息、肺気腫などの特定の疾患を抱えている場合は仕方がないのですが、一般の人に当てはまるの原因が実はストレスです。ストレスで緊張していると、速く浅い口呼吸がクセになってしまいます。速い呼吸の方が、より多くの空気を取り込める気がしますが、実際は深くゆっくりした呼吸の方が、能率的に空気を取り込めます。しかも、浅い呼吸では呼吸筋である横隔膜が機能しないため、呼吸をするために副呼吸筋として、斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、小胸筋、大胸筋、広背筋などの首回り、胸まわりの筋肉が呼吸を補うために働いてしまいます。

呼吸をするために、知らず知らず肩回りの筋肉が使われて筋緊張を強いられる。このことが、肩こりの一因となっているわけです。呼吸筋である横隔膜を機能させるためには、開き気味な肋骨の下部を下げる必要があります。横隔膜は腰椎、胸骨の他に肋骨の下部に付着しているため、肋骨下部が開いていると横隔膜が常に伸ばされている状態になり、動きが制限されてしまうからです。

開いた肋骨を下げるための施術が、呼吸ケアです。肩こりのために、肩回りの筋肉の緊張をほぐすことは有効ですが、肩こりにならないようにするために、ゆっくりと息を吐いて肋骨を下げる習慣を身につけることが、根本的な解決に繋がります。

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