呼吸ケアを受けて、呼吸が整うと睡眠の質が上がります。睡眠に問題を抱えている人は、自律神経に問題を抱えている人が多いんです。自律神経とは、意思とは関係なく自動的に機能して、体温、血圧、心拍、消化、代謝、など生命活動を維持するために働き続けています。交感神経は活動する時に働く神経で、副交感神経は休息やリラックスする時に働く神経。この2つが交互に働くことで体を調整しています。
自律神経にアプローチできる唯一の方法、それが呼吸です。前にも触れましたが、息をゆっくり吐くことで、副交感神経が優位に働きます。普段の生活では、仕事をする時、勉強をする時、食事をする時、交感神経が働きます。そして日々のストレスが強い人は、さらに交感神経が優位に働く時間が長引いてしまいます。交感神経のスイッチが切れないまま、眠りにつこうとしても、体が興奮した状態では、なかなか眠りにつくことができません。
呼吸ケアは浅くて速い呼吸を、ゆったりと深い呼吸に変えることで自律神経を整え、眠りやすい体質へと変えていきます。世界中の国々と比較しても、日本人の睡眠時間は短いと言われていますが、ただ寝ている時間を増やそうとするのではなく、睡眠の質へのこだわりも、今後は求められてくるだろうと思っています。